瀬戸の花嫁第8話 激突
燦と留奈が歌で対決。さらに、対決がアニメ内だけでなく現実ともリンクしているという、コアなファン向けの仕上げになっています。
原画がものすごく多い上、アイキャッチやエンディングの大半を削ってエピソードを詰め込み。雰囲気的には「アニメ瀬戸の花嫁:全8話」でもいいほどの、密度の濃さと綺麗なまとまり方。間延び感はほぼ0。
細かいオリジナルエピソードを大量に入れる事で、原作の穴をきっちりふさいだ
ルナ登場(アニメ第7話)〜コンサート対決(アニメ第8話。今回)は、10巻〜12巻あたりの原作が抱える問題の兆候が現れ始めたエピソードです。ここらへんから少しずつ
- ネタにつまると新キャラ投入。旧キャラの存在意義が薄れ空気のようになる。あるいは、委員長のようにキャラ設定が壊れる。
- 大騒ぎしすぎでストーリーが破綻。
- 描線の極端な省略・古い絵をコピペ・背景の実写貼りこみなど、作画の手を抜く。
となっていきました。
しかし、アニメでは原作になかった細かいエピソードを大量に入れ、演出を調整して「テンションの高い箇所」と「気を抜ける箇所」のメリハリをつけた結果、荒削りだった原作が非常に高品質なストーリーに仕上がっています。
瀬戸の花嫁第8話(キャプチャ画像)。暴力に支配された磯野第八中学で、燦派・留奈派の双方から追われる身となった永澄。女子生徒を集めて学園バイオレンスに対抗する巡は、「永澄はどっちを選ぶの?」と、永澄の本心を聞き出そうとする。
巡「君がはっきりしないからこんなにやきもきすんのよぉぉぉ!」
学園の荒廃に困惑する燦。だが、巻が留奈のせいで重症を負ったらしいと知り、ついに立ち上がる。永澄は暴力沙汰を止め、歌での勝負を留奈に申し込む。
前半(Aパート)で気づいた、原作からの大きな追加・変更点は以下の通り。
- 永澄が世紀末的世界になった学園で、悪党(男子生徒)に追われる。
- 巡が、女子生徒だけで構成された風紀委員軍団を率いている(臨時で結成?)。
- 巡が調査網を使い「学園バイオレンスの発端は、燦と留奈が永澄を奪い合っているため」と調べ上げ、永澄の気持ちを確かめようとする。
- 留奈が泣いたふりをするシーンが若干後ろに回され、描写がかなり細かくなった。
- 学校が世紀末救世主バイオレンス化しているのに、教師は相変わらずのんびり(ここで少しクールダウン)。
- サルの出番が全体的に増量。
蓮(燦の母親)を永澄ママが「姐さん」と呼んでいる。もう一度よく聞き直したら「レンさん」と言ってました。微妙に発音が不明瞭で「ねえさん」に聞こえただけ。でもあのシーン、「ねえさん」「あねさん」でもよかった気がする。
- 歌で勝負する事を永澄が留奈に伝えに行った。
あれ? そういや永澄が巡の事を「まわりん」って呼ぶシーンがあったけど、この呼び方今まで使った事あったっけ?
ライブ対決が始まる。以前とは段違いの歌唱力を身に着けていた留奈。さらに、自分のファンを会場に多数引き入れた上アンコールを続け、燦に歌わせない作戦を取る。
留奈の動きをトレースし留奈の持ち歌を歌う燦。動きは粗いが留奈より燦の方がステージ映えする。
燦・留奈の人魚の声の魔力を浴びた観客たちの脳が壊れ、放送出来ない姿に。巡はライブ会場への突入を試みて扉を開けるが、会場内の様子を見てそのまま扉を閉める。
巡「遅かったか…」
委員長「遅い早いの問題じゃないと思う」
巡「ここに火を放とう」
委員長「ダメ」
留奈の「戦いの詩」で観客たちは一触即発の雰囲気に。燦は「英雄の詩」で永澄の能力値を高めて場を収め、燦の勝利で終わる。だが、今回の勝負の直接のきっかけとなった巻の怪我は、巻が自爆したためと判明。結局、燦と留奈は仲直りし、留奈は永澄の家にとどまる事となる。
永澄「名残惜しくなったんだろ?」
留奈「げ、下僕の調教がまだだって言ってんの! 感謝しなさい! な、なんで笑うのよ! 馬鹿ぁ!」
後半(Bパート)で気づいた、大きな追加・変更点は以下の通り。
- 原作ではイメージ処理だった歌を「Lunarian」「your gravitation」「人魚古代歌詞(エンシェントリリック)戦いの詩」「人魚古代歌詞英雄の詩」としてきちんと歌い、コンサートシーンの描写をすごく細かくやっている。
- 燦と留奈が同時に歌っている事を演出で特に強調。
- 人魚の声の魔力でみんながおかしくなる理由を「燦と留奈の相乗効果+マイクで増幅」とはっきりさせた。
- 永澄が人魚の歌への耐性を持っている理由を変更した。
- 巡の登場を若干強化(ここで少しクールダウン)。
- 細かいセリフや蛇足っぽい部分(眠りの詩など)を多々変更・カットし、話のテンポを調整、また分かりやすくした。
- ノったルナが空を飛ぶ、英雄の詩が終わった後でも永澄をケンシロウ化させたまま、ボブ&マイケルが巻自爆シーンに登場してしゃべるなど、演出を調整。
- 原作の唐突な終わり方&異常なテンションをクールダウンさせるべく、最後にちょっといい話を原作の別の話から取ってきた。さらに留奈のツンデレ化も示唆。
原作を読んだ時の「巡、この話だったらもっといろいろやれる事があるんじゃない? 何でこんなに冷遇されてんの?」「何この唐突な終わり方。今まで騒ぎまくってたのは何だったの?」みたいな感じが、ほとんど解消されてるんですよね。
燦と留奈の対決で、2クール目(後期)のEDが決まる
この回、キャラソング販売促進&話題作りもかねています。第8話で燦と留奈が歌ったyour gravitation(歌:SUN/桃井はるこ)とLunarian(歌:LUNAR/野川さくら)が限定各3000枚発売。このCDについてるハガキの応募数や公式サイトでの人気投票などで、後期のエンディングが決まります。らぶドルなどでも似た事があり、エイベックスあたりの販売促進&話題作り手法ですね。
だけど、5月21日夕方にはAmazonでも楽天でも予約完売売り切れになってたので、面白いように販促がうまくいってます。アニメ放映終了後に「全部まとめたCD出すよ」なら良心的だけど、それじゃ商売としてはダメって事ですね…。
いや、個人的にはこれ、売れまくってほしいです。ぼくも(ライトアニメファンとは言え)数あるアニメを見てきたけど、ギャグアニメとしては過去最高に近い作品。もっともっとみんなに知ってほしい。店頭販売価格500円も、多分これ「売れば売るほど赤字」状態ですよね?
(07/05/23追記)
ライブソング限定CD、特に燦の「your gravitation」は、アマゾンととらのあなでは極端な品薄状態で必要数を確保出来ず、予約キャンセルを食らった人が出てます。アニメイト通販と楽天もやばそう。もともと枚数をしぼり気味だったところで、本放送直後から猛烈に予約が増えたみたいです→
amazonからの連絡
アイドル萌え
リリカルなのはあたりでも感じるけど、「これをやれば、高確率でウケる」「これをやれば、コアなファンが湯水のようにカネを使ってくれる可能性が高い」という一定のパターンは、ぼくの想像以上に鉄壁のようです。
もちろん、ある程度の人気の下地があってこそ成功するわけですが…。
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