涼宮ハルヒの憂鬱 笹の葉ラプソディの売上大幅減
涼宮ハルヒの憂鬱新アニメーション DVD4巻「笹の葉ラプソディ」の推定販売枚数が、オリコンで出ました。
涼宮ハルヒ1期00巻 第1週: 28,729枚 2006年6月23日
↓
涼宮ハルヒ1期07巻 第1週: 38,728枚 2007年1月26日
↓
涼宮ハルヒ新アニメーション4巻 第1週: 21,812枚
売り切れ難民が発生した1期00巻に比べても、相当落としてる。
まあ、映像ソフトは漫画やラノベなどと同じくシリーズが続くと販売枚数を落としていくのが普通だし、年に数えるほどしかない大ヒットなのは確か。
でも、3年前にネットを席巻した時の勢いが全然ない、
「普通の」大ヒットです。「世界を変える。世界が変わる」という空気じゃない。
深夜アニメを全然見なくなっていた3年前の自分。
そんな中、「最近あちこちで『ハルヒ』って見かけるけど、あの平積みのラノベのアニメだよな? あれがそんな話題になってるの?」→調べるうちにいろいろ気になってきた→見てみたら「こんな面白いアニメが存在するのか…」となってまたアニメに戻ったあの頃、ハルヒ界隈は異様な熱気があった。
そういうのが、今のハルヒにはない。
当時欠かさず見ていたのは、NHKアニメ劇場枠でした。
名探偵ポワロとマープルは一部女優の棒演技にうずうず→雪の女王は辛抱して最後まで見てぼう然→チャングムは子供向けだよなー…だったので、ハルヒに衝撃を受けたのはある意味当然だったかも
同じ京アニでも、らき☆すた1巻(DVD25917枚)やけいおん!1巻(BD32503枚)より下で、音楽CDも全然です。
らき☆すた後半でハルヒネタを仕込みまくったりしてたけど、いつの間にか立場が逆転している形に…。
原作は部数をものすごく伸ばしてるけど、高額商品や関連商品を買う層は逆に減ってるというわけです。なんか、パチ化する直前のエヴァンゲリオンを見ているかのような気持ち。
から、涼宮ハルヒ関連商品が今年に入って急激に縮退している事はわかっていたので、全く予想外…というわけでもないですが。
さらに怖いのはエンドレスエイト8話4巻分。これは相当落としそう。
理由はかなりはっきりしてる
(09/02:コメント欄の意見から、記事を修正しました)
「BDが出ない事による買い控え」は十分ありえるけど、確証がないので保留。
また、「ヤマカンが退職した事による影響」は…少なからずありそうだけど、やはり確証がないので保留。
エンドレスエイト
原作の構造や予告なしサプライズ放送があってこそ実現出来た、実験的な試みでしたが…これが最後の駄目押しになったみたい。
脚本の大筋は同じですが細部はかなり違うし映像は全然別なので、各話とも普通に作るのとほぼ同じ手間がかかってるはずです。また、「ハルヒをほとんど知らなかった人の注意を引く」意味では成功してます。
でも、絵や演出の違いなどを評価するのは少数派で、多くの人は単純に飽きて期待感が薄れたし、DVDの購入意欲もそぐ原因になったっぽい。
コンテンツの引き伸ばしという意図はあるとしても、内容的には本気で当てに行ったんだろうと思ってます。
- かつてネットを席巻した「涼宮ハルヒ」というコンテンツを、過信しすぎていた
- ほぼ同じループ8回(6回+導入1回脱出1回)は非常に斬新な試みであり、「ハルヒらしい」と好感を持って迎えられると考えていた
- 「京アニの『作画』は素晴らしい云々」というのを真面目にとらえ、物語が同じでも異なる映像を見せれば高く評価されると考えた
- 1話の制作に多大な時間と手間をかけており、視聴者が30分弱で見終える事をなかば忘れていた
- 「アニメファンは非常に飽きっぽく、新鮮なアニメを常に求めている」のを、軽く考えていた
涼宮ハルヒの消失をアニメ化しなかった
以前ニュータイプに載った版権絵は、朝倉と困り顔のメガネ長門でした。ファンの大半も、「消失をアニメ化するよね!」と期待していたはず。
ところが、エンドレス繰り返しの半ばで、消失のアニメ化が絶望的とほぼ確定。いろいろ調べている人なら、今回の新作は
- 笹の葉ラプソディ
- エンドレスエイト×8
- 涼宮ハルヒの溜息
で、終盤は1期分を数話放送して「サムデイ イン ザ レイン」あたりで終わるのが見えたと思います。
これは角川のコンテンツ寿命引き伸ばし戦略と思われますが、シリーズ中でも特に評価の高い「消失」が欠落したのは、熱意を冷ますには十分だったと思われます。
間を空けすぎ
3年は長すぎた。
同じく間が空いた鋼の錬金術師も、大幅に落としてるし。
エンドレスのやりすぎや消失なしも大きな原因だけど、それ以前に熱意そのものが下がっていた感が強いです。
2008年初めか2008年春に笹の葉→エンドレスエイト(2〜3回)→溜息→消失、の1クールをやっていれば、全く違った結果になっていたと思います。
- 熱狂がさめる。アニメ本編が放送されないと、やはり燃料が不十分
- 3年間いろんなアニメや漫画などを見て、ファンの嗜好も変わってる
(09/09/03追記:コメント欄で指摘がありましたが、鋼の錬金術師は「数年空いた」という事象は同じでも、声優変更や作品の作り方を考えるとハルヒと同列に扱うのは不適切と思えたため、削除しました)
原作が2年以上出てない
理由は何であれ、事実として「2007年6月1日に発売予定だった『涼宮ハルヒの驚愕』が発売延期になり、その後2年以上たっても発売されてない」です。
ラノベに限らず、「ついていっても未来がないかもしれない」と感じたら、人は離れていきます。
OPやEDが、ネタにしにくい
自分は、1期エンディングの『ハレ晴レユカイ』は、涼宮ハルヒが作り手の予想をはるかに超えて超ヒットした理由の中でも特に重要だと思ってます。YouTubeに大量に投稿されて露出が圧倒的に増え、CD1位運動が熱狂を高めた。
「ニコニコで流行った」という誤解がたまに見られるけど、当時はYouTubeが急激に隆盛した時代で、ニコニコも初音ミクもまだ存在しなかった
まぁ、平野綾さんはSuper Driverみたいな曲を歌いたい、EDでいつまでもダンスやってたら飽きられる、というのはあるでしょうが…。
新旧混合&予告なし
いろんな数字を見る限り、角川・京アニの思惑とは真逆で相当なダメージを与えたと思ってます。
今後、
新旧混合放送は禁忌とした方がいいかと。
サプライズ放送は、熱狂状態でのみ有効
情報を絞って売り込む手法は、少なくともアニメでは相当注意深く行う必要がありそう。
「情報集め&考察&飢餓感で、よりはまってもらう」ではなく、「面倒なので熱意が薄れる」方向に向いたようです。
新旧混合は、浮動層が離れる
新旧混合は、今までハルヒを全く見た事がない人や、きわめて熱心なファンを固めるには、効果的だと思います。
でも、アニメをどんどん消費していく
浮動層は、新奇性を求めています。「今回放送しているのはDVD版であって、旧TV版とは違う」とか、実はどうでもいいみたい。
浮動層は旧作放送時は全然反応しないし見ない人も多々いるので、どうしても盛り上がりに欠けてしまい、祭り状態にならない。けいおん→ハルヒに流れるはずが、けいおんにとどまった感じ。
今後に生かしてくれれば
角川・京アニも原因をよく調べるはずで、今後の作品作りに生かされていくとは思います。
さいわい、今回は涼宮ハルヒの消失がアニメ化されないし、キョンやハルヒが1年生の分だけでも、あと2クール分のストックは余裕であります。
谷川流さんがもう書きたくない・書けないなら、パチ化やスピンオフ増強などで活路を開くか、思い切ってハルヒシリーズをさっさと閉じる(熱心なファンがまだ十分残ってる間に残りすべてをアニメ化する)勇気も必要、とは思います。
個人的には、ハルヒには特別な思い入れがあるんで、このまま終わりってのはやめてほしいですが…。
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